現地メディア向けプレスツアーを行いました(キンシャサ市)

平成30年11月26日
2018年10月30日と31日の日程で,キンシャサ市内で現地メディア向けプレスツアーを実施し,新聞・テレビ8社10名のジャーナリストとカメラマンが参加しました。このプレスツアーは,日本の開発協力が現地メディアで取り上げられる機会を増やし,コンゴ民主共和国の政府関係者及び同国民への情報発信を強化するものです。

本プレスツアーでは,過去に日本の支援により建設された「質の高いインフラ」設備,ならびに同設備で現在実施中の人材育成支援の取材が行われました。日本の開発協力が有効かつ持続的に活用されていることが理解され,日本の高度な技術力,ノウハウを活用した我が国の貢献及び日・コンゴ(民)二国間協力の重要性が国内メディアを通じて広く報道されました。

保健分野での成果紹介

保健省にてサーベイランス局長インタビュー。日本のエボラ対策支援等について意見交換。
国立生物医学研究所(INRB)新校舎建設現場の視察。日本企業による説明。
【1日目】
午前は,平成23年度無償資金協力「キンシャサ保健人材センター整備計画」にて建設された国立保健人材養成校(INPESS),平成28年度無償資金協力「国立生物医学研究所(INRB)整備計画」,保健省,技術協力プロじぇくと「保健人材開発支援プロジェクト(フェーズ3)」の日本人専門家インタビュー,コンゴ(民)側関係者への取材を行うことを通じて,対コンゴ(民)国別開発協力方針において重点分野となっている保健分野での取組を紹介するとともに,今般のエボラ流行に際し日本が行ってきた貢献をアピールしました。
保健省サーベイランス局のアルナ局長は,エボラ出血熱の流行に際し,日本の質の高い協力が始まって以降,コンゴ(民)のエボラ対策能力は格段に改善し,その結果日・コンゴ(民)協力として同分野におけるアフリカ他国の専門家育成にまで成功していることを強調しました。

インフラ分野での成果紹介

日・コンゴ大通り視察。JICAスタッフによる概要説明。
道路局訪問。日本企業による,日本が供与した道路,撮影用巡回車の説明。
午後は,平成21年度無償資金協力「キンシャサ市ポワ・ルー通り補修及び改修計画」により改修され,日本のODA案件の象徴的存在となっている日・コンゴ大通りを実際に自動車で走行しつつ,道路を見ながらインタビュー等の取材を実施しました。また,道路局において平成29年度技術協力「道路維持能力強化プロジェクト」で実施されている調査やコンゴ(民)関係者との打ち合わせを取材しつつ,プロジェクト関係者へのインタビューを行いました。同インタビューでは,供与された現代的な装置によって,効率的に道路地図を作成したり,道路の破損状況を検知して修繕費用を算出したりといったことが可能になったことなど,日本の支援に対する感謝が述べられました。

国立職業訓練機構(INPP)の視察など

国立職業訓練機構(INPP)視察。チクヤ総裁インタビュー後に一行で記念撮影。
ンガリエマ科学技術学校(ISTN)(草の根人間の安全 保障無償)の視察。学校長インタビュー。
【2日目】
午前は,1980年代から日本が支援しており,「質の高いインフラ」である国立職業訓練校(INPP)を視察しました。TICADV(2013年)において,コンゴ(民)は「産業人材育成センター」を有するアフリカ10か国のうちのひとつとして位置づけられており,現在では国内のみならず中部アフリカ地域における職業訓練分野の中核拠点になりつつあります。今回のプレスツアーでは,主に現行事業である技プロ「INPP機能能力強化プロジェクト」内で実施している企業支援プログラムを視察し,受益者,プロジェクト関係者(コンゴ(民)人,邦人)へのインタビューを行いました。

午後は,草の根無償スキームの取材として人間の安全保障無償・文化無償から各1件,案件視察を実施し,受益団体,建設・修復済みの建物の利用者へのインタビューを行いました。

プレスツアー後,各紙・テレビで次々と日本の開発協力の取組が当地で報道されました。全国放映のテレビ・ラジオでは同プレスツアーの模様が14回報道されたほか,10月31日から11月3日にかけて,新聞社8社による計15本の記事が掲載されました。多くのコンゴ(民)国民が目にする新聞各紙および全国TV放送で開発協力事業が取り上げられることで,コンゴ民主共和国の国民による日本の開発協力への理解がより一層深まることが期待されます。