北キブ州におけるエボラ出血熱の発生(その2)

2021/10/21

ポイント

●10月13日、世界保健機関(WHO)は、コンゴ民主共和国北キブ州ベニ(Beni)において、エボラ出血熱の2人目の死亡例が確認され、16日には、同州ブチリ(Butsili)保健区で3人目の死亡例が確認された旨発表しました。
●エボラ出血熱は致死率が高い極めて危険な感染症で、主として感染者の体液等(血液、分泌物、吐物・排泄物)に触れることにより感染します。感染者が発生している地域には近づかないようにし、感染者又は感染の疑いがある人との接触は避けてください。

1 コンゴ民主共和国北キブ州におけるエボラ出血熱の発生

(1)10月13日、WHOは、エボラ出血熱による2人目の死亡例がベニ保健区で報告された旨発表しました。死亡したのは42歳女性で、最初の死亡例である男児と疫学的及び家族的関連がありました。
 また、同16日には、ブチリ保健区においてエボラ出血熱による3人目の死亡例が確認され、最初の症例(10月8日)から10日間で5人の症例(その内3人死亡)が確認されたと発表しています。
(2)最初の感染者が確認されたブチリを含むベニ市のいくつかの地域で、エボラ出血熱に対するワクチン接種キャンペーンが開始されています。
(3)ベニ市は、コンゴ民主共和国東部で発生した2018~2020年のエボラ出血熱の流行地の中心の1つであり、今年初めに新たなエボラ出血熱が発生したブテンボ市から約50kmの場所にあります。大規模な発生の後に散発的な症例が発生する可能性がありますが、この最新の症例が以前の発生に関連しているかどうかを判断するには、さらに疫学的調査が必要です。
○10月13日付WHOによる発表(英文)
 https://www.afro.who.int/news/democratic-republic-congo-starts-ebola-vaccination
○10月18日付国連による発表(仏文)
 https://news.un.org/fr/story/2021/10/1106492

2 エボラ出血熱について

 エボラ出血熱は、エボラウイルスが引き起こす、致死率が高い極めて危険な感染症です。患者の血液、分泌物、排泄物などに直接触れた際、皮膚の傷口などからウイルスが侵入することで感染します。ヒトからヒトへの感染は、家族や医療従事者による患者の看護や葬儀の際の遺体への接触を通じて起きることが報告されています。
 現在、予防のためのワクチンの臨床試験が世界的に進められていますが、治療は対症療法が基本となります。潜伏期間は2日から21日(通常は7日程度)で、発熱・悪寒・頭痛・筋肉痛・食欲不振などに始まり、嘔吐・下痢・腹痛などの症状があります。更に悪化すると、皮膚や口腔・鼻腔・消化管など全身に出血傾向がみられ、死に至ります。
 アルコール消毒や石けんなどを使用した十分な手洗いを行うとともに、エボラ出血熱の患者(疑い含む)・遺体・血液・嘔吐物・体液や動物に直接触れないようにすることが重要です。
 エボラ出血熱に感染しないよう、以上を参考に、感染者が発生している地域には絶対に近付かないようにし、感染者又は感染の疑いがある人との接触は避け、野生動物の肉(bush meatやジビエと称されるもの)を食さないなど、エボラ出血熱の感染予防を心掛けてください。
(参考)
○厚生労働省検疫所
 http://www.forth.go.jp/useful/infectious/name/name48.html
○国立感染症研究所:「エボラ出血熱とは」
 https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/342-ebola-intro.html