小川新大使からのご挨拶
令和6年1月6日
明けましておめでとうございます。2024年の新春に当たり、ご挨拶を申し上げます。
昨年(2023年)12月16日に駐コンゴ民主共和国大使として着任いたしました小川秀俊(おがわ ひでとし)と申します。
1991年に外務省に入省し、これまで日本国外ではベルギー(EU代表部)を皮切りにフランス、インドネシアに在勤経験があり、直近では昨年10月末まで3年強、在ベルギー日本国大使館兼NATO日本政府代表部の公使として勤務致しました。アフリカ大陸での勤務は実質的に初めてとなりますが、日本大使として、サブサハラ・アフリカで最大の国であり、AUなど国際場裡で大きな存在感を有するコンゴ民主共和国と日本との関係を一層進展させ、また共通の課題に取り組んでいけることを楽しみにしております。着任直後に行われた昨年末の大統領選挙・総選挙では、投票に係る大小様々な問題はありましたが、概ね平穏に実施され安堵したところです。確定結果は憲法裁判所の裁定を待つ必要があり、引き続き治安情勢等に一定の注意は必要ですが、現職チセケディ大統領の再選は揺るがないと見られています。いずれにせよ、日本とコンゴ民主共和国の伝統的な友好関係、そして人々同士の絆が一層深まるよう、開発協力や文化交流を始め日々の全ての活動を通じて努力していきたいと考えています。世界有数の大河コンゴ川に架かる唯一の大橋、マタディ橋が日本の協力で建設されていた時代、また、当国の天然資源開発に関心が高かった時代には、日本人ビジネスマンや技術者など約1,000人が当地に居住し、日本人学校も存在したと聞いております。残念ながら、治安情勢や予見可能性に乏しい種々の規制等障害に直面しがちなビジネス環境もあって、今では往時の10分の1以下となってしまいました。しかし、分厚い若年人口を中心とする約1億人のダイナミックな大市場、鉱物・森林資源に恵まれたコンゴと日本との交流・協力関係の潜在性は現状よりはるかに大きく、双方にとって大きな利益をもたらすものと確信しております。まずはこれがかつての勢いと深みを取り戻していくように、両国の関係者に働きかけ、触媒となることが自らの最大の責務の一つと考えております。
反面、当国の治安情勢につきましては、今後、前身組織を含め20年以上にわたりコンゴ民主共和国に駐留し東部の情勢悪化の抑制や各種支援に携わってきたMONUSCO(国連コンゴ民主共和国安定化ミッション)の撤収が段階的に進む予定となっていること、また武装勢力の動向に鑑みると、武力抗争が続くコンゴ民主共和国の東部では、治安情勢・人道状況の先行きは引き続き予断を許さない状況が続くことが見込まれます。また、首都キンシャサ中心部においても一般治安は良好とは言いがたく、現在、国土全体にレベル2(不要不急の渡航中止勧告)以上、東部・北部・中南部の一部地域にはレベル4(退避勧告)の危険情報を公表しております。大使館としては、領事メールやホームページを通じて、在留邦人及び渡航を計画されている皆様に対する迅速・的確な情報提供を続けるよう努めて参りますので、大使館業務へのご協力・ご理解を引き続きよろしくお願いいたします。
日本においては大変痛ましい幕開けとなってしまった2024年ですが、速やかな復興、皆様のご健康とご多幸、日本とコンゴ民主共和国の平和・友好関係の発展を祈念して、新年及び着任のご挨拶とさせて頂きます。
駐コンゴ民主共和国大使 小川秀俊
昨年(2023年)12月16日に駐コンゴ民主共和国大使として着任いたしました小川秀俊(おがわ ひでとし)と申します。
1991年に外務省に入省し、これまで日本国外ではベルギー(EU代表部)を皮切りにフランス、インドネシアに在勤経験があり、直近では昨年10月末まで3年強、在ベルギー日本国大使館兼NATO日本政府代表部の公使として勤務致しました。アフリカ大陸での勤務は実質的に初めてとなりますが、日本大使として、サブサハラ・アフリカで最大の国であり、AUなど国際場裡で大きな存在感を有するコンゴ民主共和国と日本との関係を一層進展させ、また共通の課題に取り組んでいけることを楽しみにしております。着任直後に行われた昨年末の大統領選挙・総選挙では、投票に係る大小様々な問題はありましたが、概ね平穏に実施され安堵したところです。確定結果は憲法裁判所の裁定を待つ必要があり、引き続き治安情勢等に一定の注意は必要ですが、現職チセケディ大統領の再選は揺るがないと見られています。いずれにせよ、日本とコンゴ民主共和国の伝統的な友好関係、そして人々同士の絆が一層深まるよう、開発協力や文化交流を始め日々の全ての活動を通じて努力していきたいと考えています。世界有数の大河コンゴ川に架かる唯一の大橋、マタディ橋が日本の協力で建設されていた時代、また、当国の天然資源開発に関心が高かった時代には、日本人ビジネスマンや技術者など約1,000人が当地に居住し、日本人学校も存在したと聞いております。残念ながら、治安情勢や予見可能性に乏しい種々の規制等障害に直面しがちなビジネス環境もあって、今では往時の10分の1以下となってしまいました。しかし、分厚い若年人口を中心とする約1億人のダイナミックな大市場、鉱物・森林資源に恵まれたコンゴと日本との交流・協力関係の潜在性は現状よりはるかに大きく、双方にとって大きな利益をもたらすものと確信しております。まずはこれがかつての勢いと深みを取り戻していくように、両国の関係者に働きかけ、触媒となることが自らの最大の責務の一つと考えております。
反面、当国の治安情勢につきましては、今後、前身組織を含め20年以上にわたりコンゴ民主共和国に駐留し東部の情勢悪化の抑制や各種支援に携わってきたMONUSCO(国連コンゴ民主共和国安定化ミッション)の撤収が段階的に進む予定となっていること、また武装勢力の動向に鑑みると、武力抗争が続くコンゴ民主共和国の東部では、治安情勢・人道状況の先行きは引き続き予断を許さない状況が続くことが見込まれます。また、首都キンシャサ中心部においても一般治安は良好とは言いがたく、現在、国土全体にレベル2(不要不急の渡航中止勧告)以上、東部・北部・中南部の一部地域にはレベル4(退避勧告)の危険情報を公表しております。大使館としては、領事メールやホームページを通じて、在留邦人及び渡航を計画されている皆様に対する迅速・的確な情報提供を続けるよう努めて参りますので、大使館業務へのご協力・ご理解を引き続きよろしくお願いいたします。
日本においては大変痛ましい幕開けとなってしまった2024年ですが、速やかな復興、皆様のご健康とご多幸、日本とコンゴ民主共和国の平和・友好関係の発展を祈念して、新年及び着任のご挨拶とさせて頂きます。
駐コンゴ民主共和国大使 小川秀俊