医療情報

1.衛生・医療事情一般
コンゴ民主共和国は、大西洋ギニア湾に面したコンゴ川の河口の僅か37キロの小さな海岸線を有するだけの内陸国で、行政上26州で構成されています。国土の大部分は熱帯雨林で覆われたコンゴ盆地からなり、北部には広大なサバンナが広がっており、東部地方は火山性の山々とタンガニーカ湖などの大湖があり、日本の6倍強の面積を有し、9カ国と国境を接しています。季節は乾期(6月から9月)と雨期(10月から5月)に分かれますが、気温の変化は年間を通じて大差なく20度から30度です。
豊富な天然資源に恵まれているにもかかわらず、長年の内乱、紛争の影響で国土は荒廃し、経済は疲弊しきっている最貧国の一つです。復興の足取りは聞こえるものの、インフラの再構築も捗らず、国民生活も向上していません。衛生・医療事情も決してよくありません。また治安及び衛生上キンシャサ市内で外国人が利用に耐えうるホテルやレストランは数軒しかないのが現状です。

2.かかり易い病気・怪我
(1) マラリア:国内全域が年間を通じ感染危険地帯です。主に夜間に活動するハマダラ蚊刺症によって感染します。悪性経過をたどることのある熱帯熱マラリアの優性地域であり、クロロキン耐性原虫も報告されています。予防内服に関してはWHOより塩酸メフロキンが推奨されていますが、万能でない事を理解しておく必要があります。
(2) 急性下痢症:当地ではマラリアと共に患者数の多い疾患です。出血を伴った頻繁な下痢と発熱を主症状とする出血性下痢症を起こす事もあります。原因となる細菌、ウイルスは多種に及びます。
(3)コレラ:コレラ菌による経口感染で、米のとぎ汁のような下痢による脱水症状が特徴で、急激に全身状態の悪化を来たす症例もあります。東部国境地帯が主な感染地域ですが、時に首都でも散見されます。
(4) 麻疹(はしか):ワクチンの普及で日本ではほとんど見かけなくなった疾患ですが、当地では今なお年間4~5万人の患者が確認されています。首都キンシャサ市内でも、流行を見ることがあります。
(5) ポリオ(急性灰白髄炎):全国土において毎年散発的に流行が確認されています。 ポリオは感染者の排泄物や汚染された水などを介して経口感染します。 感染率は低いのですが, 感染すると風邪のような症状の後に足や呼吸器に麻痺が生じ, 窒息などを起こすことがあります。 大部分の日本人は幼少時にワクチン接種を2回施行されていますが, 日本出国前にワクチン接種歴を確認し, 未接種の場合は追加接種を行うようにしてください。
(6) 結核:衛生環境が劣悪で検診制度のない当国では, 結核はいまだ大きな問題です。 WHO2015年データでは, 年間新規発症患者数が約11万人であり, 再発発症者数とあわせると, 約12万人におよびます。 患者の約3割は, HIV陽性とされています。 医療を受けていない国民も多く, 未治療の排菌者(感染力を有する結核菌を排出している患者)も数多くいると推定されます。 結核は, 結核菌を含む飛沫核の吸入による空気感染ですので, 人口密集地や閉鎖空間での長期滞在に際しては, 十分な注意が必要です。
(7) HIV, AIDS:性行為及び輸血等で感染し、種々の免疫機能の低下を引き起こします。政府発表によると, 2014年のHIV新規感染者は,35,890人で, その1%がAIDSを発症しています。 有病者は、全国で45万人と推定されています。 治療を受けている者は増加していますが, 多くは未治療です。 他の性行為感染症と同じく,十分な配慮をお願いします。
(8)エボラ出血熱:1976年に初めて当国(当時ザイール)において発見されたエボラウイルスによる極めて致死率の高い出血熱です。 感染の経路, メカニズムには, まだ不明の部分も多く, 有効な治療方法はありません。 2014年の発生は西アフリカの発生とは別のもので, 8月に赤道州ボエンデ地域で患者が確認され, 66人の感染患者のうち49人が死亡したと推定されます。 以前にも当国では, 数年おき(1977年, 1995年, 2007年, 2008年, 2012年)に散発的に東部地区を中心に流行が認められます。 当国に入国の際は, 外務省のホームページなどで, 最新の感染症情報を確認し, 流行地域への立ち入りは絶対に避けるようお願いします。 なお, 発生時には空港での検疫が行われています。
(9)黄熱病:蚊が媒介したウイルス感染で黄疸をきたし, 致死率の高い感染症です。 しかし, 黄熱病ワクチンにより予防可能です。 当国全域で散発的な流行がみられますが、 2015年末にアンゴラで大流行した黄熱病はアンゴラ国境地域からキンシャサへと広がり, 政府発表によると, 2016年1月から9月までに, 黄熱病感染疑い患者は2770例となり, 85名が死亡しました。 この状況に対して, 約1,000万人というかつてない規模の黄熱病ワクチン接種キャンペーンが行われ, 鎮静化に向かっています。 当国の出入国に際し, 必ず黄熱病ワクチン接種歴がチェックされます。 ワクチン接種証明書(イエローカード)がない場合は, 出入国できません。
(10) その他:各種寄生虫疾患,破傷風, 髄膜炎, 腸チフス, ハンセン氏病,チクングニア,デング熱などがあります。

3.健康上心掛けること
(1) 食べ物は加熱処理したものを取るようにしてください。
(2) 生水は飲まず、ミネラルウオーターを飲むようにしてください。
(3) マラリア等の感染を防ぐために夜間の長袖の着用、防虫スプレーの散布、蚊帳、蚊取り線香の使用を行って下さい。
(4) 無謀な運転による交通事故が多発しているため、歩行、道路の横断には十分に気をつけて下さい。

4.予防接種
当国は入国に際し、黄熱病のワクチン接種の証明書(通称イエローカード)が必要です。他にA型、B型肝炎、破傷風等のワクチンの接種をお薦めします。

5.病気になった場合(医療機関)※2016年10月現在
コンゴ民主共和国(+243-)
・キンシャサ
(1) CMK (Centre Medical de Kinshasa)外来部門
住所:168, Avenue de Wagenia, Gombe, Kinshasa
電話:(0)89-895-0300(受付)
CMKは、ヨーロッパ人医師数名が在籍する標準医療機器を備えた唯一の救急病院です。外来部門と病棟部門とは3kmほど離れており、救急外来はCMK外来部門内にあります。
(2) CPU (Centre Prive D'Urgence):CMK病棟部門内
住所:Coin Av. Du Commerce et Bas Congo, Gombe,Kinshasa
電話:(0)89-895-0305 (救急)  (0)89-895-0302(受付) 
CPUは、CMK病棟内にある完全会員制の診療部門です。受信に際して予め登録が必要です。登録なしのやむを得ない緊急受診には、供託金として6,000~10,000ドルが必要となります。事前登録をお薦めします。
(3) Centre Médical Diamant
住所: Suite #101, Future Tower, 3642, Boulevard du 30 Juin, Gombe, Kinshasa
電話: (0)97-600-0065 (受付) 
2012年に開院した, カナダに本部を持つ病院です。同じビル内に入院施設があります。
(4)LE CENTRE DE SANTE BUCCO-DENTAIRE(歯科医院)
住所:474, Avenue Colonel Mondjiba , Ngaliema, Kinshasa(UTEX AFRICAとなり,フランス大使館付近)
電話: (0)81-894-1564(受付)
ヨーロッパ人歯科医師1名が診療しています。
(5)Kerroc'h Dental Clinic(歯科医院)
住所:150, Avenue Colonel Mondjiba, Ngaliema, Kinshasa
電話: (0)99-991-5050 (受付)
ヨーロッパ人歯科医師2名が診療しています。

・ルブンバシ
(1)Centre Médical de la Communauté(CMC)
住所:4, Avenue Nyanza, Lubumbashi
電話:(0)99-703-0789 (受付)
ベルギー人医師1名とコンゴ人医師数名が内科・小児科・婦人科・歯科疾患に対応しています。
(2)Centre de Chirurgie et Traumatologie
住所:20, Avenue Evêque Katembo, Lubumbashi
電話:(0)81-403-1246 (受付)
アルゼンチン人医師1名とコンゴ人医師数名が外科系疾患に対応しています。

・マタディ
(1)Centre Medical de Matadi (通称Midema病院)
住所:11, Avenue Bukavu, Ciné Palace, Matadi, Kongo Central
電話:(0)81-367-9903 (受付)
製粉会社Midema社が作る財団の支援により、米国の病院から寄付された中古医療機器を使用しています。

コンゴ共和国(+242-)
・ブラザビル
(1)Clinique Pasteur
住所:88, Rue Djambala, Moungali, Brazzaville
電話:05-749-4856(救急) 06-990-6377 (受付)
外科系疾患に対応するも、設備は不十分です。

(2)Net Care Congo Sarl
住所:Avenue Maréchal Lyautey, Brazzaville
電話:05-547-0911(受付)
内科系疾患のみに対応しています。一時的な経過観察入院のみ可能です。

・ポワント・ノワール
(1)Clinique Guenin
住所:109, Avenue Agostino Néto, Pointe-Noire
電話:05-553-2030 (救急) 05-575-6773 (受付)